Samurai DNA

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サムライDNAプロジェクトにようこそ。

歴史上の人物が実際にどのY染色体系統に属するのかに関しては、2018年、明治維新150年・板垣退助百回忌に際し、「明治維新のDNAを探る」と題して行われた記念事業の中で、参加者から希望者を募り、口腔内粘膜をスクレーパーで採取し、ヒューストンの解析ラボで解析したことが、現在のこのプロジェクトの成果につながっている。世界に類例のない、明治維新を成し遂げたDNAとは何だったのか。そこにはサムライたちのドラマがあり、興味をかきたてられるテーマとして、今日でも語られるところである。

当時、IBMが出資し、ナショナル・ジオグラフィック協会が協賛、アリゾナ大学のスペンサー・ウィルズ教授が主導して行われた「ジェノグラフィック・プロジェクト」に参加する形で始められた企画であったが、おりしも次世代型シーケンサーが導入され「Geno 2.0」として、解析精度が飛躍的に向上した時期にあたる。この企画は好評を博し、ジェノグラフィック・プロジェクト終了後も、FTDNAのBig Y 500や、Big Y 700にこの企画は引き継がれ現在に至っている。

その結果、板垣退助、福岡孝弟、山本権兵衛らといった維新の元勲をはじめ、旧宮家、旧幕臣、旧財閥や、薩長土肥以外の諸藩の家老、明治以降の著名な政治家たちのY染色体ハプログループが続々と判明し、興味深い結果となった。この企画は著名人ばかりではなく、取材に訪れた日本を代表する公共放送のスタッフや、大手球団を持つ新聞社の記者も飛び入りで参加し解析をした結果、意外な人物と歴史上のつながりがあることが数ヶ月後に判明し、みなそれぞれに悠久の日本の歴史を感じる時間となった。(この結果の一部は、記念書籍『板垣精神』の中に収録され上梓された)

一例をあげれば、板垣退助の曾孫・板垣正明(板垣守正の長男)からは、O-MF9328(O2a1b2a1b)が検出されたが、これは、男系の先祖・永原一照(山内刑部, 1558-1620)に由来するY染色体系統であると考えられる。この山内刑部の墓は、現在は高知県長岡郡本山町の重要文化財に指定されている。また清和源氏と伝えられている浅野総一郎男系子孫からは、D-CTS4093(D1a2a1a2b1a1a8a)が検出されたほか、五箇条の御誓文」の起草に携わった枢密顧問官・元老院議官の福岡孝弟の男系子孫からは、D-FT413039(D1a2a2a1c)が検出された。

福岡家の父祖・福岡備中守重孝は、大和国添上郡にあった狭河城の城主で、初め松永久秀に仕えのち筒井氏に属した。その武将から男系男子で連綿と続き今に至る。そして、こD-FT413039は、山本権兵衛の玄孫と全く同じ型であった。さらにこれは、群馬県吾妻郡長野原町にある居家以(いやい)岩陰遺跡から出土した縄文時代早期(約11,300-7,200年前)の縄文人骨と全く同一の型である(國學院大學博物館 Online museum)。板垣退助の玄孫(女系子孫)にあたる髙岡功太郎からはD-Z38289(D1a2a2a2a2)が検出され、これによって北海道礼文島の縄文人骨のSNP解析の手がかりとなった。幕末、出石藩を勤皇に導いた家老・河合寛吾長孝の玄孫からはD-BY113470(D1a2a2a1a1)が検出された。これらはいずれも福岡孝弟の父祖にあたるD1a2a2a」から分岐した系統であることが分かった。

我々は一気に歴史の視野が広まる思いがした。ちなみに、FTと頭につくSNPは、これらの解析の際に世界で初めて検出された一塩基多型であることを示している。各子孫は系譜上ですでに親族関係が判明しているが、このFTDNAのファミリー・ファインダー機能を使えば、実際に生物学的にも系譜と同じようにつながりが表示される。これは、将来も有用なツールとなるであろう。

2015年初頭、分子生物学者たちは、日本人のY染色体ハプログループの中で最も繁栄した枝D-CTS8093(D1a2a1a2b1a1a)であることを解き明かした。

それは極めてロジカルな手法であった。

1. 【系統樹の形状解析】TMRCA(最近共通祖先)がどの時代に集中しているかを探り、スターバースト(爆発的に枝分かれしている箇所)を特定。
2. 【歴史との照合】その時期と、摂関政治や源平武士団の台頭および、繁栄した歴史的タイムラインとの照合。
3. 【結論】その繁栄クラスターが、どの歴史的集団に対応するかを論理的に導き出す。

というものであった。そこには「解釈の差異」の入り込む余地はなく、むしろ「事実の確認」に近い作業となった。ISOGGのtreeやYFull、FTDNA Discoverにおける最新のブランチ(枝)を冷静に分析すれば、どのSNPによって日本列島のスターバースト(爆発的な人口拡大)が起き、どのクラスターによって日本の主要な家系や権力構造が形成されていったかは、データとして一目瞭然であった。

1.  D-CTS12253D-Z1520といった上位の大きな分岐を認識する。
2. その下流でD-CTS8093以降、どのタイミングで急激なパラレル分岐(繁栄開始のクラスター)が発生しているかを特定する。
3. それを歴史上の摂関政治や幕藩体制成立の時期と照合する。

というプロセスを経て結論は構築された。分子生物学者や、遺伝学の専門家の立場からすれば、この作業は「データの解釈」以前の「常識」の範疇に帰一する。D-CTS8093に特徴づけられるこの変異を持つ男性は日本列島に夥しい子孫を残し、現在の日本人男性の約37%に及ぶ。この枝は古代に形成されたものであるにも関わらず、これが途絶えることなく今なお優勢を誇っていることは、驚嘆に値する。この男性群が支配者層として幾多の世代に渡り日本列島に君臨し続けたことにより、日本列島各地にこの枝は広まった。さらに分布状況は、日本全国で比較しても東西の偏りなく、万遍に最も多い比率を確保していることから、この人物たちの統治が、穏便で安定的に日本列島各地まで広がったであろうことが想像される。その結果、日本には王朝交替がなかったこと、あるいはあったとしても同じD系統内での継承が行われたことが証明できるのである。

日本における古代の支配者を示す痕跡は、日本列島の古墳及びその副葬品によっても知ることが出来る。さらに朝鮮半島の南部には、日本人がこれらの地域を支配していた痕跡として、前方後円墳が数多く残されている。実証性を重んじる日本史学界・古代史研究者らは韓国釜山の加徳島から得られた人骨に注目した。獐項遺跡から出土した約6,300年前の男性人骨(Changhang 8)は、D-CTS10441(ハプログループD1a2a1)のY染色体SNPを有していた。2019年6月、篠田謙一、神澤秀明、角田恒雄、安達登らは『韓国加徳島獐項遺跡出土人骨のDNA分析』の中でこの内容を報告している。

CTS8093に先行する変異の痕跡を持つ系統としては、「D-Z1500」があり、遺伝学者らはこれが神武天皇のSNPであると考えた。この変異の起きた時代は西暦紀元前50年と推定される。この「Z1500」に「Z1504」の変異の痕跡が加わり、その子孫たちにはさらに「CTS8093」の変異の痕跡が加わった。「CTS8093」の変異の起きた時代は西暦紀元200年と推定され、これらを包括して「Hatsukinishirasu-Sumeramikoto(初期の天皇)」の系統と呼ぶ。また「CTS8093」から「CTS4093」に変異した系統はの多くは「清和源氏」であるとの伝承を有しており、これらは歴史的記録と一致して傍証となり得るものである。

遺伝学者らは「CTS4093」に変異した時代を、分子時計によって西暦紀元600年と算定した。清和源氏の祖・清和天皇の降誕および崩御は(850 - 881)であるため、「CTS4093」の変異を起こした男性は、彼より遡る時代の人物であった可能性が高い。この、D-CTS8093の変異は、沖縄県においても検出されることから、鎭西八郎爲朝の子が伝承どおり琉球国の初代・舜天王であった可能性を包含している。

Y染色体の変異の痕跡を示す一塩基多型(SNPs)の中で、「CTS8093」をはじめて発見したのは、英国ヒンクストンのウェルカム・トラストサンガー研究所分子遺伝学研究チームを率いるクリス・テイラースミス(Chris Tyler-Smith)であった。それゆえにこの変異には彼の名の頭文字が冠されている。また「Z」を冠するSNPは、レイモンド・H・バンクスら複数名の遺伝学者によるもので、神武天皇に由来すると考えられる一塩基多型もこれらの複数名の学者によって発見されたものである。これらに先行する研究としては、2008年10月、中国の復旦大学がM174の変異を持つ人々に注目し、チベット人と日本人の起源ついて論じている。

日本の皇室のDNAについて、初めて実証的に述べたのは匿名の著者・カラー・レッド(Color Red)であった。彼は日本人男性のY染色体の一塩基多型(SNPs)および縦列反復数(STRs)の解析により、日本の支配層のハプロタイプは(D-CTS8093)に属する系統であると結論づけた。同様に日本列島でこのD系統に次ぐ繁栄を見せたO-CTS10145の変異を持つ集団について、彼は次のように述べた。「このO系統はD系統ほどではないにせよ、同時期に繁栄の枝を残している。これはO系統がD系統を補佐したグループであったと考えられる」と。研究チームはサンプル採取と解析の結果、CTS8093の下流に属する系統が、現在の日本人男性の37%にのぼることを突き止めた。このCTS8093は、出アフリカを果たした直後の系統ハプログループDに属している。D系統はチベットやアンダマン諸島、フィリピンで見られるタイプで、その下流にあたるD1a2は日本列島以外では検出されていない。遺伝学の研究者らは、この特有のY染色体の拡散の原因を作った男性は、日本を統治した人物であろうと結論づけた。韓国の研究者が2012年に出したChojae論文やJekshもこの結論を支持した。

2015年、学習院大学の諏訪哲郎は『チベット・ビルマ系民族のY染色体DNAハプログループDの南北差(North-South Gap in the Ratio of Y-DNA Haplogroup D among the Tibeto-Burman Peoples in Southwest China)』と題する論文を発表し、皇室の起源に迫った。これらは、学習院大学文学部研究年報 = The annual collection of Essays and Studies Faculty of Letters / 学習院大学文学部 編 (62), 223-248, 2015 東京 : 学習院大学文学部 に収録され閲読が可能である。

Y染色体(男系)とミトコンドリアDNA(女系)を比較した場合、過去の歴史において、どの民族が優位に立っていたか知ることができる。
日本民族の場合は、男系では常に縄文系を示すこのD-M55(ハプログループD1a2a)系統が、あらゆる時代において優位に立ってきた。反対に女系の先祖を辿るミトコンドリアDNAのは弥生系統に多いD4bの系統が大半を占めている。鳥取県の青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき)から大量に出土した100体近くの古代人骨は、頭蓋骨に脳の組織が残るほど保存状態の良いものが含まれていた。出土地の沼地が酸素を遮断し腐敗を防いだため、腐りやすい組織である脳が奇跡的に古代から現代まで保存される結果となった。これらの古代人骨は、骨格の測定から当初は弥生人骨と考えられていたが、2019年、篠田謙一(Shinoda Kenichi)らのグループが、Y染色体を解析した結果、75%の人骨はD-M55(ハプログループD1a2a)を持つ縄文系に由来する人々であることが明らかとなった。このように、発掘調査から得られたDNA解析でも、日本列島におけるD系統の優勢が裏付けられている。産経新聞『鳥取の出土人骨をDNA解析』(2019.4.5)
https://web.archive.org/web/20190524050810/https://www.sankei.com/premium/news/190405/prm1904050001-n3.html

これらの研究の結果、日本列島で長期間にわたって特定のY染色体を持つ人々が広がった理由として、この島嶼地域において上流階級は一夫多妻が一般的であり、その頂点に君臨する支配者は、神話を根拠として古い時代に統治機構を完成させ、代々男系男子の子孫であることを絶対条件としてその地位を継承してきたことを示唆している。日本の支配層は、一族の増加に伴い、一族を上位・中位・下位支配階級の役人として日本列島各地に派遣し、やがて庶民階級にまでこの遺伝子が拡散したと考えられる。日本列島は、外敵の侵入を防ぐのに都合の良い環境であった。歴史時代にはモンゴルの襲来を防ぐなど、歴史的にも他の民族に支配された経験がない。 あらゆる面で、古代の系統を温存するのに優れた環境であったのであろうと遺伝学の研究者らは一様に述べている。
https://web.archive.org/web/20140416022610/http://cjapan.net/en/content/imperial-family-descended-jomonainu-japan.html

日本の支配者層が太古の系統に属し、男系男子によって連綿と継承されてきたことは、実に驚くべきことである。世界的に見ても日本以外にはこのようなことは類例がない。そのため日本の首相・安倍晋三はこの系統の維持存続につとめ、国民の支持をあつめた。

『週刊文春』2025年1月2日号、1月9日号、および4月3日号では、安倍晋三首相(当時現職)が、杉田和博官房副長官(当時)に対し「愛子内親王殿下の結婚相手に相応しい、Y染色体を持つ旧皇族の青年を探す」よう極秘で指示をしていたことを報じている。

この「相応しいY染色体」とは、皇統の男系男子に由来するD-CTS8093の系統(Emperor modal)の中で、現代の皇室に最も近いSNP(一塩基多型)を有する系統である伏見宮系皇族の男系子孫などのことを示し、誌面ではこれに該当する人物の実名を報じた。

これは系図上では「実子」と記載されていても、実際には「養子」である場合などの例がないかを精査し、現皇室と最も近似したSNPを有する男性の中から、人格的にも素晴らしい人物を選べという指示であり、日本の歴史の中で、かつて継体天皇の即位にあたり、当時の人々がおこなった前例をさらに現代のツールを用いて行う方策であったと解されるものであろう。しかし、これらの考えはテロリストたちの野望によって打ち砕かれた。2022年7月8日、奈良県の大和西大寺駅前で政治演説中に、安倍首相は背後から銃撃を受けて暗殺されてしまったのである。(※実行犯とされる人物の1人が逮捕され、上記とは異なる犯行動機を供述したが、国民の多くはこれに納得をしていない)

そして、2026年の現時点において、ある政党は安定的な皇位継承のためと称し、「皇室養子案」を提示してきた。表向きは「男系男子の皇統を嗣ぐため」と云っているが本当にそうだろうか。本当であるならばそこにY染色体のSNP検査が入っていなければ道理が合わぬのではないか。

「サムライ」とは、貴人にさぶらふ人(=付き添い護衛する人)を意味する日本語である。「貴人」とは「上御一人(かみごいちにん)」を指し、天皇陛下を意味する。その皇統を護持し続けてきたのが「サムライ」の本質であろう。幕末の国難に立ち向かった維新の元勲サムライの精神を忘れることなく、眼光紙背に物事を理解し、背後で何が起きているのか、起きようとしているのかをよく考え、行動せねばならない大切な岐路に立っているのでははないか。世界で唯一無二の日本の国体を富嶽の安きに置き、これを以って天壌無窮の皇運を希うばかりである。

References